社会復帰

回復期と社会復帰

順調に治療が進み、いわゆる「回復期」に入ると、勤めている人であれば、そろそろ会社に復帰するかどうかを検討することにあります。

ただ、すっかり回復したかどうかの見極めが難しいうえに、再発の可能性を考えると復帰のタイミングは、医師もかなり慎重になります。見極めるのはもちろん主治医ですが、家族も本人の家での様子について主治医にきちんと伝えることも大切です。主治医はそうした情報も得ながら、その時期を判断します。

復帰の前提としては、まず本人が仕事に復帰する意欲を持っているかどうかです。さらに重要なことが、本人が仕事にどれだけ耐えられるかという判断です。

仕事の負担に耐えられる程度に十分に体力や精神力が回復して、なおかつその状態が安定して続いていれば、復帰の時期がきたと考えられます。現実的には、1人で通勤できるかどうかもひとつの目安になります。
ただし、たとえ本人が復帰に意欲を示しても、十分に回復していないのに「長く休んでしまって、みんなに迷惑をかけたから」「早く復帰しないと社内で不利になるから」と思って復帰を急ぐ人がいることです。むしろ回復が不十分な時期の方が復帰を焦る気持ちが強くなるものです。仕事の遅れを早く取り戻したいという気持ちが焦りの気持ちを募らせてしまうのです。

このような状態で復帰させれば、再発の危険はかなり高くなってしまいます。本人に焦りの気持ちがあると思える場合には、たとえ本院は復帰の意欲があっても復帰させるのは考え物です。復帰にあたっては次のようなことに注意します。

・はじめは「慣らし運転」のつもりで
職場に復帰すると、遅れた分を取り戻そうと思い、ついがんばってしまいがちです。くれぐれもそのような考え方はしないようにして、ゆっくりと時間をかけて適応していきます。

・何事も「ほどほど」に
まじめな人ほど仕事に一生懸命になってしまいますが、復帰後は完ぺき主義を捨てて、何事も「ほどほど」にという姿勢が大切です。

・常に心に余裕を
なんでも完全を目指すと心も体も余裕がなくなります。常に余裕を持って生活するようにします。

・考え方をプラス思考に
うつ病になったときは、どうしても「悪いほうへ悪いほうへ」と考える、いわゆるマイナス思考に陥りがちでしたが、これからは意識的に何事も「よいほうへよいほうへ」と考え、プラス思考をするようにしましょう。

・早く注意信号に気付く
一度うつ病を経験していますから、症状についてはよくわかっているはずです。下痢や頭痛、胃痛、不眠など、またストレスを強く感じたと思ったら、それ以上がんばらないようブレーキをかけます。

学校へ復学したら

子どもがうつ病になった場合は、治療を受けているときから、担任の先生など学校側と緊密に連絡を取り合い、十分な理解と協力を得ておく必要があります。その際には、主治医からも学校側に説明してもらうことが大切です。

学校に復帰するにあたっては、やはり担任の先生をはじめ、学校主任、医務の先生たちと相談して、受け入れ態勢を整えてもらうようにします。
復学当初は、本人は些細なことで、不安定になりがちです。そのため、不機嫌になったり、友人とのちょっとした行き違いなどで傷ついたり、情緒的にも変化が激しくなりがちです。
本人がそのような状態になる可能性があることを主治医から学校の先生方に説明してもらい、理解を得るようにします。
まずは、本人に無理をさせないようにし、学校生活に慣れさせることが一番の目標です。

通学も本人の調子を見ながら登校させます。はじめのうちは教室に入れないこともありますので、そのような場合にはしばらくは保健室に通うようにします。また、先生方には、本人の遅刻や早退、具合が悪い時は保健室で休ませることなどを認めてもらうように話しておくことが必要です。

復帰のタイミングは、定期試験などのストレスがかかるような時期は外したほうが良いでしょう。休んでいたことで、ただでさえ、学業の遅れを心配しているところに、試験などを受けると、その成績がまた大きな心の負担となることが多いのです。

言うまでもないことですが、家族の気配りは復学後も必要です。成績のことなど、親がちょっとでも心配しているような気配を見せると、本人には大きなプレッシャーになります。焦らせるような言動は絶対に慎まなければなりません。じっくりと話を聞いてあげて、復帰に伴う本人の不安を軽くしてあげることが大切です。


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