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鬱病の入院費用ってどれぐらい?

鬱病治療の入院費用はいくらかかる?利用できる経済的支援はある?

鬱病治療は専門の医療機関を頼るのが最も効果的だと言われています。ですが、病院の入院費用がいくらかかるのか分からずに躊躇しているという人も多いですよね。そこで当記事では、大まかな入院費用や利用できる経済的支援の有無を調査してみました。入院治療を検討している人は参考にしてみてください。

入院費用は高額医療費制度で自己負担額の上限が決められている

鬱病の入院費用がいくらかかるのかは、入院する人の年齢や所得(収入)で大きく変わってきます。
高額医療費制度によって、年齢・所得に応じて医療費の自己負担額の上限が決められているからです。
上限額を越えた費用は、公的医療保険から支給されるといった仕組みになっています。

年齢については、
・70歳未満
・70歳以上75歳未満
・75歳以上
の3つに区分されています。

一方、所得水準は、
住民税非課税から年収約1,160万円以上の間で5段階に分けられていて医療費の自己負担額上限が決められています。

70歳未満の場合の月単位の上限額(負担割合3割)
年収約1,160万円以上:252,600円+(医療費-842,000)×1%
年収約770万円~約1,160万円:167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収約370万円~約770万円:80,100円+(医療費-267,000)×1%
~年収約370万円:57,600円
住民税非課税:35,400円

例えば、70歳未満で年収370万円の人が1ヶ月で医療費が100万円かかった場合、保険診療は3割負担なので30万円を支払わなければいけません。しかし、高額医療費制度を利用する事で自己負担額の上限である80,100円+7,330円=87,430円だけの負担で済むようになります。
30万円からの差額である約21万円は。高額医療費として公的医療保険から補てんしてもらえます。

ですが、入院治療の場合は、食事代や個室を選んだ際の差額ベッド代などは高額医療費制度の対象外となるので注意してください。

1ヶ月間の大まかな入院費用

鬱病で入院する時に1ヶ月にかかる費用

鬱病で入院する際は「精神科救急病棟」と「精神科急性期治療病棟」のどちらかに入院する事になります。
どちらに入院するかで1ヶ月にかかる入院費用の目安が大きく異なります。

精神科救急病棟:1ヶ月あたり約100万円
精神科急性期治療病棟:1ヶ月あたり約65万円

上記が鬱病の入院費用の大まかな目安です。
さきほども述べた通り、ここに食事代や日用品代がプラスされる事になります。

無給で休職した場合は傷病手当金で給料の2/3が支給される

鬱病治療で入院する事になれば、仕事を休まなければいけません。
その間の給料・収入が心配だという人も多いですよね。
有給休暇が残っていれば、消化する事で収入を得られますが、入院によって仕事ができずに無休となってしまう場合は、健康保険の「傷病手当金」という支援精度を利用する事ができます。
業務と関係のない病気・怪我で連続3日間を含む4日以上仕事をする事ができない事に加えて、事業主から十分な報酬が貰えない等の条件を満たしていれば「給料の2/3」を支給してもらえます。
健康保険組合や全国健康保険協会の窓口に支給の申請を出しましょう。

まとめ

鬱病治療で入院したいけど費用がいくらかかるか分からず躊躇しているという人も多くいます。
ですが、現在の日本では高額医療費制度を利用する事で毎月の負担額に上限が設けられています。
自分で計算する事もできますが、入院を検討している病院に質問・相談に行くのが最も確実です。
また、無給で仕事を休む事になった際は、条件を満たせば給料2/3を支給してもらえる傷病手当金を利用しましょう。